日常診療

【自宅でできる健康診断】「おうちでドック」ってどうなの?メリット、デメリットを医師が解説。

自宅でできる健康診断「おうちでドック」ってどうなの?

あなたは最近健康診断を受けていますか?

まだ自分は若いから大丈夫と思っていませんか?

会社員であれば毎年健康診断を受けていると思いますが、フリーランス、自営業、主婦、定年退職後の方の中には全然受けていないという方もいるかもしれません。

糖尿病、脂質異常症、高血圧症などの生活習慣病の原因としては、食事や運動などの生活習慣、遺伝、加齢などが挙げられます。

そのため、20~30代でも食生活が乱れていたり、運動習慣のない方であればそれらの病気を発症する可能性は十分あります。

もちろん、健康診断を受けていたからと言って必ず予防できるものではありませんが、健康のためには予防と早期発見が重要になります。

しかし、現在は新型コロナウイルス感染症の問題もあり健康診断を受けるために病院に行きたくないという方もいるかもしれません。

そのような方のために、「おうちでドック」という検査キットが販売されております。

今回は医師の視点から、「おうちでドック」のメリット、デメリットについて解説したいと思います。

「おうちでドック」とは

「おうちでドック」とは、ハルメク・ベンチャーズが発売した自宅検査型人間ドックキットのことです。

※ 厚労省承認の検査キット

管理医療機器承認番号 22600BZX00362000

自宅で採取した数滴の血液と尿を郵送するだけで、「がん」や「生活習慣病」のリスクをチェックすることができます。

なお、尿検査は郵送時の劣化を防ぐため真空状態の採尿管で採取を行い(特許技術)、それにより精度は医療機関で実施する検査と同等とのことです。

検査項目

 

おうちでドック公式サイトより引用

がん

男性用

  • 大腸がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん

 

女性用

  • 大腸がん
  • 食道がん
  • 乳がん
  • 子宮がん

 

生活習慣病(男女とも同様)

  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 腎疾患
  • 肝臓疾患
  • 脂質代謝異常
  • 高血圧
  • 痛風・尿路結石
  • 肥満度
  • 栄養障害

 

アフターフォロー

  • 希望者全員に医師が電話で検査結果を説明。
  • 看護師にチャットで異常値やからだの悩みが相談できる。
  • どんな症状・病気でも、実績ある医師の紹介が受けられる。
  • がんのリスクが発見された方にはセカンドオピニオンの無料相談。

「セカンドオピニオン」とは「第二の意見」つまり「別の医師の意見」という意味です。

 

価格

男性用、女性用ともに19,800円(税込21,780円)です。

家族セット(男女各1セット)の場合は35,640円(税込39,204円)となります。

 

おうちでドック(男性用)のご購入はこちら

 

おうちでドック(女性用)のご購入はこちら

 

おうちでドック(おトクな男女2個セット)のご購入はこちら

 

「おうちでドック」のメリット

病院に行く必要がない

自宅でいつでも受けられるためわざわざ仕事を休む必要がありません

また、育児中で病院に行くのが困難な方にも適しています。

それに加えて、最近では新型コロナウイルス感染症の感染リスクを考慮し病院にはなるべく行きたくないという方も多いかもしれません。

そういった場合はこの検査キットはとても有用かと思われます。

 

健康診断やがん検診より値段が安い

健康診断やがん検診は自費となるため、検査項目にもよりますが最低でも数万円はかかります。

オプションを追加すると、5~10万円位かかってしまうこともあります。

そのため、この検査キットを使用することで比較的安い値段で行うことができます。

 

「おうちでドック」のデメリット

血液検査項目がやや少ない

一般的な健康診断で行う血液検査の大体の項目をカバーしておりますが、強いて言うと貧血の検査などが含まれておりません

また、腫瘍マーカーは男性ではp53抗体とPSAのみ、女性ではp53抗体とCA15-3のみであり、一般的ながん検診と比較すると少ないです。

腫瘍マーカーは様々あり、それぞれが特定の病気(主にがん)に反応し上昇します。

しかし、基準値を超えたとしてもがんでない可能性(偽陽性)、がんであっても基準値以内の可能性(偽陰性)があるため、あくまで目安です。

腫瘍マーカーの値に加えて、自覚症状や画像検査結果から総合的に判断します。

 

画像検査がない

一般的な健康診断では胸部レントゲン検査を行います。

胸部レントゲン検査では主に肺がん、肺炎、心拡大などの有無について検査するためそれらの病気の有無について調べることはできません。

また、オプションを追加するとエコー(超音波検査)、CT、MRIなどを行うこともありますが、当然それらの検査はできません。

 

医師の診察がない

一般的な健康診断では医師が首の触診をしたり、胸の聴診を行います。

それにより、甲状腺が腫れていないか、呼吸音がおかしくないか、心雑音がしないかを調べています。

当然それらの異常の有無については調べることはできません。

まとめ

デメリットとしてあげたように、一般的な健康診断に比べると検査項目は少なくすべてをカバーしているわけではありません。

あくまで、「がん」や「生活習慣病」を確定診断するものではなく、リスクをチェックするものです。

ただし、メリットとしてあげたように病院に行く時間がない方、最低限の検査を比較的安い値段で行いたい方が最初に行う検査としては有用であると思います。

また、例年は健康診断を受けているけれど、新型コロナウイルス感染症の感染リスクが心配であるため、今年はこの検査で代用するというのもありかと思います。

何をするにしても健康であることが第一です。

ついつい後回しになりがちですが、これを機会に自分のからだへの投資も検討してみたらいかがでしょうか。

 

男性用

女性用

ご家族セット