投資

【投資の大原則】アセットアロケーションの重要性。ポートフォリオとの違いは?

「アセットアロケーション」や「ポートフォリオ」という言葉は聞いたことがありますか?

これらは特に個別株の投資を行う方にとってはとても大事な考え方になります。

一方で投資信託を購入する方にとっては理解しなくても何とかなりますが知っておいて損はありません。

また、投資経験者の方でも「アセットアロケーション」と「ポートフォリオ」を混同している方もいるかもしれません。

今回は「アセットアロケーション」の説明と「ポートフォリオ」との違いについて説明したいと思います。

 

アセットアロケーションとは

アセットアロケーション(asset allocation)とは、

asset 資産

allocation 配分

つまり、資産配分のことです。

例えば株式に70%、債券に20%、不動産(REIT)に10%投資するというようなものです。

投資において資産配分は非常に重要であり、アセットアロケーションを上手く行えるかどうかにより資産運用の結果が左右されます。

ではなぜそれほどアセットアロケーションが重要なのでしょうか。

 

アセットアロケーションが重要な理由

アセットアロケーションが重要な理由は主に2つあります。

景気の状態により資産の値動きが異なる

資産によりリスクが異なる

それぞれの理由について詳しく説明していきます。

 

景気の状態により資産の値動きが異なる

資産によって値動きは全く異なります。

例えば株式は景気が良いときに上昇し逆に景気が悪いときに下落しますが、

債券は景気が良いときに下落し逆に景気が悪いときに上昇します。

もし、すべて同じ値動きをする資産でアセットアロケーションを組んでいた場合、運が良ければ大きな利益を得ることができますが、運が悪いと大きな損失を出してしまいます。

しかし、バランスを考えて資産配分することで、景気が良くても悪くてもそれぞれの資産の利益が損失を補うことになり、安定した値動きを期待することができます。

もちろん、安定した値動きを期待する資産配分とすることで大きな利益を得るのは難しくなりますが、投資において一番大事なのは大きな利益を得ることではなく大きな損失を出さないということです。

ただし、投資には絶対はないので、どのようなアセットアロケーションでも、元本を100%保証することはできませんのでご了承下さい。

 

資産によりリスクが異なる

資産によってリスク、つまり値幅は大きく異なります。

例えば景気が良いときに上昇するのは株式や不動産(REIT)ですが、一般的に値幅は不動産よりも株式の方が大きいです。

また、債券は景気が悪いときに上昇しますが株式や不動産ほどの値幅はありません。

そのため、景気が良いときも債券は株式や不動産ほど下落することはありません

このような特徴を生かして資産配分することで、リスクを減らしつつ安定した利益を得ることができるようになります。

 

アセットアロケーションとポートフォリオの違い

次にアセットアロケーションとポートフォリオの違いについて説明したいと思います。

これらは似ている内容であるためよく混同されていますが厳密には若干異なります。

簡単にまとめると、

アセットアロケーションは投資の方針

ポートフォリオは具体的な商品

を決めることです。

具体的には、アセットアロケーションで全体の投資資産のうち、70%は株式、20%は債券、10%は不動産(REIT)と決めます。

その後、具体的な商品名を決めていくことになります。

例えば株式70%のうち40%はA社、20%はB社、10%はC社といった感じです。

このように、具体的な投資商品を決めることをポートフォリオを組むといいます

 

アセットアロケーションやポートフォリオの考え方

一般的に、投資は年齢が若いほどリスク許容度が高いので株式などのリスクが高く値幅が大きい資産の比率を多くして、年齢が高くなるほど債券などのリスクが低く値幅の小さい資産の比率を多くすれば良い、と言われています。

具体的には自分の年齢を債券の比率にして残りを株式にすると良いと言われています。

つまり、

30歳の方であれば、株式70%、債券30%

50歳の方であれば、株式50%、債券50%

となります。

一般的に株価は世界経済の成長に合わせて右肩上がりに上昇していく傾向にあります。

そのため、年齢が若いうちは運用期間が長くなるため多少リスクをとっても株式の比率を多くして多くの利益を目指しても良いと考えられています。

一方、年齢が高くなるになるにつれて運用期間が短くなるためリスクよりも確実性を取った方が良いため、債券などの安定資産の比率を増やしたほうが良いと考えられています。

 

リバランス

投資を長期に行っていると、当初自分の想定していたアセットアロケーションと異なってきます。

その乱れてきたバランスを当初自分の想定していたアセットアロケーションに戻す作業のことをリバランスと言います

それほど頻繁には行う必要はないですが年1回程度はバランスを整えたほうが良いと言われています。

また、先程お話ししたように、年齢が高くなるにつれて徐々に株式中心から債券中心にシフトしていくと良いと言われています。

 

投資信託でもアセットアロケーションは必要か?

投資初心者の方は個別株よりも投資信託から始める方が多いかと思います。

では投資信託においてもアセットアロケーションは必要でしょうか?

結論としては、なくても大丈夫ですがよりリスクを分散し安定的に資産を増やすためには必要となります。

 

投資信託とは

投資信託とは「投資家から集めた資金を投資の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品のこと」です。

投資初心者にお勧めのほったらかし投資~つみたてNISAの基礎知識~の「投資信託の選び方」のところでも説明しましたが、多くの投資信託の中から運用手法やアセットクラスをもとに投資信託を選び投資をすることとなります。

 

具体例

大人気であり、私のお気に入りでもあるeMAXIS Slimシリーズで説明したいと思います。

例えば、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に投資することで米国の500社の株式に分散して投資をすることになります。

また、eMAXIS Slim先進国債券に投資することで先進国の債券に分散して投資をすることになります。

このeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS Slim 先進国債券をあわせて保有することで、すでに分散投資しているものをさらに分散投資することとなり、よりリスクは減り安定的に資産運用ができるようになります。

デメリットとしては、必ずしも必要ではないですが自分の想定したアセットアロケーションを目指すためにはリバランスが必要になることです。

そのデメリットを補うものとして、すでに全世界の株式に分散投資しているeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)であったり、国内・先進国・新興国の株式・債券・不動産(REIT)などの8資産に12.5%ずつ運用しているeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)などがあります。

そのため、もっとリスクを分散させて安定した資産運用を行いたいけれど自分で細かいことを考えるのは面倒くさい、ほったらかし投資を行いたいという方はそういった投資信託に投資することをお勧めします。

 

まとめ

投資の大原則は長期分散投資です。

長期にさまざまな資産に分散することによって価格が安定し安定的に資産を増やすことができます。

また、自身の望む利益を実現させるには、適切なアセットアロケーションを組まなければなりません。

アセットアロケーションの重要性を理解して、安定した資産運用を目指しましょう。