ロバート・キヨサキ著の「金持ち父さん貧乏父さん」シリーズは投資の世界のバイブル的な存在です。
今回はその中に登場する「キャッシュフロー・クワドラント」という考え方について取り上げたいと思います。
「キャッシュフロー・クワドラント」とは
「クワドラント」とは「4等分」という意味であり、以下の4つに分類されます。
E(Employee:従業員)
S(Self Employee:自営業者)
B(Business Owner:経営者)
I(Investor:投資家)
自ら働いて稼ぐ人
4つの分類のうち、「E(Employee:従業員)」と「S(Self Employee:自営業者)」は「自ら働いて稼ぐ人」です。
私は勤務医をしていますが、私を含め多くの人はこの分類に含まれます。
この分類に含まれる人は自分の時間や労働力を収入に変えている、つまり労働収入となります。
労働収入は若いとき、元気なときは問題ありませんが高齢で働けなくなったとき、病気で働けなくなったときは収入がなくなるというデメリットがあります。
また、いくら頑張って働いたとしたも収入の上限は大体決まっており爆発的に稼ぐことはできません。
お金を働かせている人
一方、「B(Business Owner:経営者)」、「I(Investor:投資家)」は「お金を働かせている人」です。
仕組みを作り、自分自身がいなくても成り立つビジネスを所有している人は働く必要はありません。
投資家も同様であり、この分類に含まれる人は自分自身ではなく仕組みやお金を働かせている、つまり不労所得となります。
不労所得は労働収入とは異なり、仮に自分が高齢になったり病気になったりで働けなくなったとしても、また、遊び歩いていたとしても収入を生み続けるというメリットがあります。
また、ビジネスの内容や資本金にもよりますが収入の上限はなく、爆発的に稼ぐことも不可能ではありません。
税制面の違い
次に税制面の違いについて説明したいと思います。
「S(Self Employee:自営業者)」「B(Business Owner:経営者)」は事業の利益から必要経費を引いたのちに税金がかかります。
つまり、必要経費を可能な限り増やして税金をコントロールする、つまり節税が可能となります(やりすぎは脱税になりますので気を付けてください…)。
それに対して、「E(Employee:従業員)」は給与から税金が引かれた後に使えるお金が手元に入ります。
そのため、税金をコントロールすることはできなく、自分自身でコントロールできるのは頑張って収入を増やすか支出を減らすくらいです。
では、「I(Investor:投資家)」はどうでしょうか。
現在日本では株、投資信託、FXなどの投資での利益に対して20.315%の税金がかかります。
20.315%と聞いてかなり多いと思う方もいるかもしれませんが米国などの諸外国と比較すると低いです。
また、給与や事業所得などの場合、累進課税制度により高収入になればなるほど税金が増えていきます。
そのため、「I(Investor:投資家)」は税制面においてかなり優遇されていると言えます。
所得税は5%、10%、20%、23%、33%、40%、45%と7段階に分けられてます。
また、2037年までは復興特別所得税が2.1%課せられるので最高税率は45.945%となり、住民税の10%を含めると55.945%が課せられます。
お金持ちになるために
キャッシュフロー・クワドラントの考え方では、大多数を占める「E(Employee:従業員)」や「S(Self Employee:自営業者)」の人が「B(Business Owner:経営者)」や「I(Investor:投資家)」になることを勧めています。
ただ、いきなり「B(Business Owner:経営者)」を目指すのはリスクも手間も多く全ての人にはお勧めできません。
そのため、まずは「I(Investor:投資家)」を目指すのが良いと思います。
現在ではネット証券などで気軽に株や投資信託を購入できますし、NISAやつみたてNISAなどのお得な制度もあります。
現在の仕事で元手を増やし、それを投資に回すことで資産を増やしお金持ちを目指しましょう。